「マウスピース矯正なら、歯を抜かなくても良いのかな…?」と思われている患者さま。
実は、矯正治療における歯を抜くか否かの判断は、矯正装置で変わるものではありません。
つまり、「ワイヤー矯正だから」「マウスピース矯正だから」という理由だけで矯正治療における抜歯の有無が変わることはないのです。
とはいえ、そうなると具体的には、
- どんなときに
- どんな理由で
矯正治療で歯を抜くことが必要になるのか、患者さまからは判断しにくくなりますよね。そこでこのページでは、矯正認定医視点で治療時の抜歯の有無を決める方法について紹介していきます。
ワイヤー矯正なら抜歯、マウスピース矯正なら非抜歯になる理由
患者さまの中には、「ワイヤー矯正なら歯を抜くけど、マウスピース矯正なら歯を抜かなくていいと言われたことがある」という方もおられます。
しかし、それは
●ワイヤー矯正だから抜歯が必要 ●マウスピース矯正だから非抜歯でも治療できる |
という意味ではありません。むしろ、
●ワイヤー矯正なら抜歯して最終的な治療ゴールにたどり着ける ●マウスピース矯正だと最終的な治療ゴールには到達できないから、治療プランを変えて抜歯を無くした |
という意味合いが正しいです。
ですので、「非抜歯だからマウスピース矯正にする」という理由だけで安易に矯正装置を決めてしまうのは、矯正認定医視点ではオススメできません。
もちろん大切な歯を残すために、治療プランを変更するケースもあります。
しかし基本的には、患者さまご自身が納得できる治療を受けていただくためにも、「最終的な治療のゴールをどうしたいのか」を担当医とよく相談した上で矯正装置を選ぶのが1番です。
抜歯の有無はあくまでも治療の最終ゴールに到達するための1つの過程だと捉え、治療結果重視の合理的な判断で抜歯の有無について考えていきましょう。